タバコをやめよう!と思ってもやめられない。禁煙に挑戦しても、つい吸ってしまうのは、【ニコチン依存症】という病気の可能性があります。病気であるニコチン依存症は、自分の意志の力だけで治すことは難しいです。禁煙治療は、要件を満たせば健康保険等が使えますし、禁煙補助薬が処方されると自分一人で禁煙するよりもずっと楽にできます。禁煙しようと思ったら気軽にご相談ください。

ニコチン依存症とは

タバコを吸うと、煙に含まれるニコチンが数秒で脳に達し快感を生じさせる物質(ドパミン)がたくさん放出されます。ドパミンが放出されると、喫煙者は快感が生じて、またタバコを吸いたいという欲求が生じます。その結果、次の1本さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。この行為を繰り返すうちに現れるイライラなどの離脱症状(禁断症状)を避けるために、喫煙を止められなくなります。この状態がニコチン依存症です。

禁煙によるメリット

『今さら禁煙しても、長い間吸ってきているから無駄だろう』と考えている方!そんなことはありません!禁煙を始めたら短期間のうちに健康上のメリットが得られます。

健康上のメリット】

◎禁煙後  数時間           息に含まれる一酸化炭素濃度がタバコを吸わない人と同じくらいに!!

◎禁煙後12時間         血液中の一酸化炭素濃度が正常になります。

◎禁煙後1〜9ヶ月     咳・痰・喘鳴が改善します。

◎禁煙後1年                  慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者様の肺機能の改善がみられます。

◎禁煙後2〜4年          心臓の病気(狭心症・心筋梗塞といった冠動脈疾患)のリスクが半減します。

◎禁煙後10年以上       肺癌死亡率が半減します。咽頭癌や口腔癌などになるリスクが低下します。

知ってますか?受動喫煙

喫煙は、吸っている本人の健康にとって良くないのはもちろんですが、周りの人の健康にも悪影響を及ぼしています。タバコを吸わない人が、タバコの煙を吸い込んでしまうことを【受動喫煙】と言います。家族や周りの人に煙がかからないように、換気扇の下やベランダに出て吸っても吸い終わった直後4~5回までの息には、タバコを吸っている時と同じくらいの有害物質がまだ含まれています。そのまま部屋に入ってくれば有害成分も一緒に持ち込まれることになり、受動喫煙は防げません。タバコの煙は髪の毛や衣類にしみ込みます。また、壁や床・カーテンなどにもしみ込んでしまいます。しみ込んだタバコ臭も有害成分が検出され、集中力や体調にも影響があることが報告されています。

他の人が吸っているタバコの先から出る煙(副流煙)には、喫煙している本人が口から直接吸い込む煙(主流煙)よりも高い濃度の有害成分が含まれています。受動喫煙があると、タバコを吸わない人の体内からも、タバコの煙の成分が検出されています。吸わない人も自分の意思とは関係なく喫煙している状態になっています。また、発達途中である子供にも様々な影響を与える可能性があります。受動喫煙により子供の中耳炎・気管支炎・肺の感染症や肺機能の低下などがおこる可能性があり、脳の働きにも様々な悪影響があることがあります。子供は自分の意思でタバコの煙を避けることが出来ません。周りにいる大人が守ってあげることが大切です。

ご自分の健康のため、また受動喫煙による周りの人達の健康被害をなくすため一緒に禁煙に取り組んでいきましょう。
禁煙に興味が出ましたら、いつでもお気軽にご相談して下さい。